古来より「狐の嫁入り」は縁起が良いと云われているそうですが、そもそも「嫁入り」自体は「ケガレ」だそうで(受け売り・汗)、何故「ケガレ」の嫁入りが縁起が良いとされるのか疑問に思ったのでちょっと調べてみた。
戦後の民俗学では、「ケガレ」を「気枯れ」すなわちケがカレた状態とし、祭などのハレの儀式でケを回復する(ケガレをはらう、「気を良める」→清める)という考え方
穢れ - Wikipedia
だそうで、ケガレをハレ(祝い事)で清めると解釈すれば「嫁入り」が縁起が良いとされるのも分かったような気にもなるのですが、まだ研究者の間でも「ハレ」と「ケ」と「ケガレ」の議論はまとまっていないようです。
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ともあれ、先日は東山花灯路期間中に縁起物として行われている「狐の嫁入り」を見てきました。
狐の嫁入りは花灯路の期間中(10日間)毎日2組が行列します。スタート時間は19時と20時の2回。知恩院の山門前を出発し、円山公園を抜けて高台寺までのコースです。
この写真は知恩院前を出発するところ。ちりーん、ちりーん、と鳴る鈴の音とともにゆっくりと行列がスタートします。
ロウソクを持った白装束の男達が先導していきます。
狐のお嫁さんは人力車に乗って進みます。
暗闇に浮かぶ花嫁の狐のお面と白い角隠しがとても幻想的です。
嫁入り行列は明るく照らされた知恩院前から円山公園の暗闇に入っていきます。
先導する提灯に続く白装束の男達がKKKのようにも見えて不気味な雰囲気もあります。けれど、ちょっと神秘的にも感じられます。
通り過ぎるのは一瞬で、観客達は行列について歩いて行きます。
観客に囲まれた行列は円山公園の狭い道を埋め尽くすようにして高台寺へ向かっていきました。
こんな伝承や祭事のある日本に生まれて良かったなあと思った夜でした。
逆説の日本史〈4〉中世鳴動編―ケガレ思想と差別の謎 (小学館文庫)
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